コイネズミヨウムを16年飼育してみた感想

コイネズミヨウムを16年飼育したので、感想を書いてみようと思います。

 

 

コイネズミヨウムとは?

コイネズミヨウムの濃太郎 ♂

アフリカに生息するヨウムの亜種で、つまり種としてはヨウムです。
サイテス1類入りした時は、ヨウム、コイネズミヨウムという分類はなくて、あくまでもヨウムという扱いでした。
サイテス1類ということで、絶滅が危惧される動物ということになります。

特徴としては、嘴の根本からクリーム色のグラデーションがあって、体色はやや濃いめのネズミ色、尾は渋めの赤という感じ。
体は普通のヨウムよりも少し小さいですが、最近のファームによるヨウムの繁殖個体そのものが小さくなってきているため、それほど小さくも見えません。コンゴ系亜種のヨウムよりは明らかに小さい感じです。

知能は非常に高く、ペットとして一般的に飼われている動物としてはトップクラスと言えるかもしれません。
状況認識能力はかなり高く、人を物凄く観察しているのが分かります。
よく、最も賢い鳥と言われていますが、ミヤマオウムやカラスには及ばないという印象です。
鳥類は、知能は高くても、精神年齢が低めという印象がありますが、ヨウムもその点では同様な感じです。

餌は、基本に種子食という性質を考えれば、運動量の少ない家だと、ペレットのメンテナンスタイプが良いように思います。
色々なメーカーから出ていますので、信頼できそうな餌を選んでください。
海外のメーカーが主流という感じです。

物凄い広い場所で、自由に飛び回れるなら、高カロリーの種子関係が主食でも問題無いかもしれませんが、運動量の少ない家の中だと、肥満になってしまい、健康を損ねるリスクが高くなるかもしれません。
野菜は基本的に与えたほうが良いですが、与えたらダメなものもありますので、事前にチェックしておく必要があります。アボカド等何種類か危険なものもありますので、注意が必用です。

ヨウム同様に言葉をよく覚え、会話も可能です。基本的にヨウムなので、同じような能力を持っています。ただし、体格差からか、声の再現性ではやや劣るという感じもあります。濃太郎は大きめのコイネズミヨウムなためか、声の再現性は高めなのではないかと思っています。

一般的には、ヨウムよりも活発で、人見知りはしにくいと言われていますが、個人的には大差は無いという印象です。あくまでも、ヨウムの範囲内なので、ボウシインコ等と比較して考えると、ちょっと・・という感じです。

こちらの気を引くための声は、やはり体格なりの声量があるので、防音対策は、やはり必要かもしれません。ただし、他の大型に比べると雄叫びが無い分飼いやすいかもしれません。
ヨウム本来の声は、ヨウムの荒鳥に近寄ると分かりますが、他の大型と遜色のない大声を出すことは出来るようです。

界 : 動物界 Animalia
門 : 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
綱 : 鳥綱 Aves
目 : オウム目 Psittaciformes
科 : インコ科 Psittacidae
属 : ヨウム属 Psittacus
種 : erithacus
英名 : Timneh Grey Parrot
体重 : 300~350g ?
寿命 : 40~50年?

 

 

コイネズミヨウムは、どんな性格?

基本的にヨウム的で、雛からお迎えしましたが、馴れるのにはけっこう時間がかかりました。つまり人見知りをするということです。
積極的に人に会わせることを続けたので、基本怖がらなくなりましたが、それでもコボウシやウロコ、オキナ等に比べて人見知りはします。
外出先では、オオハナインコよりも社交性は低いかもしれません。

家では、内弁慶なところがあり、他の鳥に対して、悪戯をするので、他の鳥から、あまり好かれていません。

知能が高いので、言葉や声で、人をコントロールしようとする所があるので、飼いやすいか?と言われると、そうでもありません。
つまり、こちらが困るということを完全に認識した上で、大きな声を出すという行為を行うところがあります。
困らせると、人が近寄ってくる事を理解しています。

おなかがすいたら、言葉で教えてくれるので、そういう意味では、とても分かりやすく、その点で飼いやすいとも言えるかもしれません。

人でも鳥でも、むやみに背後から襲い掛かることもありますので、その点で性格は良いほうではありませんが、本気ではなく、手加減はしてくれます。

知的故に困るところも多い鳥ですが、馴れている人に対しては、非常に可愛らしい態度をとるので、やはり可愛い鳥です。

 

 

 

雛~成長期にかけて

雛のころの写真が見つかりませんでした・・

雛のころは、目が真っ黒で、随分と雰囲気が異なります。
餌は、他のインコ同様に、フォーミュラのさし餌が良いと思われます。
実際、濃太郎もフォーミュラで育てましたが、ちょっと昔すぎて、どの餌を与えていたのか、記憶がありません。(確かズプリームだったような・・)

他の鳥と同様で、保温は必要になりますので、保温器具は必用ということになります。
夏場でも、急に気温が下がることがありますので注意が必用です。
ただし、温度が高くなりすぎには注意が必用でしょう。気温が高い時も、エアコンの風が、直接当たらないよう注意してください。

言葉は、他のインコに比べると、早いうちからは覚えない感じです。生後一年前後で話し始めた印象ですが、喋らないうちから、話しかけることはコミュニケーションとしても大切なことのように思えます。

 

 

言葉は覚える?

すべての個体が、お喋りするとは言い切れませんが、かなりの高確率で喋る可能性が高い鳥種だと言えると思います。
もちろん、飼い主との信頼関係が高いほうが、積極的に言葉を覚えてくれるでしょう。
特に覚えるのは、生後1年~4年ぐらいの間でしょうか?

10年ぐらい飼育していると、徐々に言葉を覚える頻度は落ちていきます。
基本的に、一度覚えた言葉は覚えているようで、日光浴とかをさせていると、さえずりのように喋ることがあります。
ただ、日常で使う言葉は、実用語が中心という感じになってきました。
コミュニケーションとして使えるかどうかを判断して、話しているようにも感じます。

昔飼っていたペットと似た生き物を見ると、それを見るのが十年ぶりだとしても、名前を呼ぶことがあります。例えば、フェレットを見ると、昔飼っていたフェレットの名前を呼ぶという感じです。

ヨウムといえば会話能力ですが、やはり状況認識能力の高さが分かるレベルで会話をしてくれる感じです。
うちの場合は、食事に関する会話が多いという感じです。
あとは、電気を消せば「おやすみ」朝起きると「おはよう」という感じの日常会話が多いという感じです。

どうしても覚えない言葉もあって、「こんにちは」は、未だに覚えていません。「こんばんは」と「こんにちは」の違いが分からないようで、こちらが「こんにちは」と挨拶しても「こんばんは」で帰ってくるという感じです。ニュアンス的には会話は成立しているとは思いますが・・
個体それぞれで、覚えにくい言葉はあるかもしれません。

 

 

反抗期

反抗期は、他の鳥種と同じようにあると思うのですが、うちの場合は、よく分かりませんでした。
そういうのを通り越して発情期になったという感じです。対象相手は、ぼくということになりました。
これは、インコが決めるものなので、運のようなものです。

他の鳥を見た感じでは、反抗期が強烈なのはボウシインコで、うちの場合だと、他は言うほど、そういうものが無いという印象です。

そういう点では参考になりませんが、反抗期の強烈さには鳥種もあれば個体差もあるという感じでしょうか?

 

性成熟

発情している濃太郎 発情しているときは、こういうポーズをとります

ヨウムの性成熟は、他の鳥よりも遅いという印象がありますが、必ずくるものです。

うちの場合は♂ということになますが、ぼくに対して発情します。
どういう感じかと言えば、肩に乗ったりして、顔を真っ赤にして、ひたすらゲロを吐きます。
要は、ぼくをヨウムの♀だと思っていて、餌を与えてくるという感じです。
これを貰うわけにもいかないので、この場合は、床に下ろしたりして、少し冷静になってもらいます。
しばらくすると落ち着きますが、発情期であれば、乗せるとすぐに発情します。

パートナーではないとしても、鳥が信頼している人がいれば、そちらで遊んで気を紛らわすことも可能です。
ぼくといると、冷静ではなくなるので、他の人に遊んでもらうという方法は、けっこう良いと思います。

うちの場合は、狂暴になるとか、そんなことはなく、その点では苦労はありません。これには、もちろん個体差があると思われます。

 

まとめ

現在の、コイネズミヨウムの濃太郎

コイネズミヨウム(ヨウム)は大型インコとしては、獰猛さが無く、そういった意味では飼いやすいインコと言えるかもしれません、
ただし、それは比較的という話で、大型インコそのものが飼育しやすいとは言えないということが前提となります。

知能が非常に高く、こちらの行動も細かく観察していて、とても上手にコミュニケーションを行うことが出来ます。
もちろん、コミュニケーションに言葉が入ってきますので、色々と深いやりとりが可能です。

ただし、その事で、すべてが上手くいくわけでもなく、観察することで、こちらが嫌がることも、よく理解していますし、嫌がらせが始まると、かなりしつこく、その行為を行います。
やはり知能の高さ故です。
悪いことは、悪いと理解して行っているので、悪さをしながら自分で「コラッ」と言ってたりします。
目線を向けると、その時だけやめて、知らないフリをしたりするので、そういった事は完全に理解しています。

インコの場合、知能が高くても、精神年齢は低いものが多いという感じですが、やはりコイネズミヨウムの場合もそれに該当します。他より少し高めかもしれませんが・・
そういうわけで、こちらが、すこし子供っぽい遊びをしてやると、とても喜びます。

大人になると、基本的に寒さにも強くなりますが、そもそも熱帯の鳥なので、あまり寒すぎるのもどうかと思いますので、ある程度保温してやるとよい思います。過保護にしすぎると、弱い個体になってしまうかもしれないので、加減も必要かもしれませんが、それは様子を見ながらの匙加減ということで。

どうこう言いながら、とても魅力的な鳥なので、これから人生の終わりまで付き合っていこうと思っています。
比較的若いころに、お迎えしましたが、それでも長寿な鳥なので、こちらが先に他界ということもあるかもしれません。
その場合、引き取ってもらえる人を探しておく必要もあるでしょう。
その点も考慮すれば、長年の友として付き合っていける鳥だと思います。


Posted by 中村 智道

映像作家・写真家
2018年に体調を壊してから、現在に至るまで、まともな制作が出来なくなったことから、極力エネルギーを使わずに制作する方法を考えています。
みどりの王様は、その実験的な試みで、なるべく消耗することなく制作する方法をこれで考案中。
ペットの撮影も、案外出来ます。気楽にお声をかけてください。
無理の無いよう、のらりくらりとやっていきます。

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